【レタッチ】初心者でもRAW現像で簡単に「健康的な肌色」を再現する方法!
皆さんはカメラが生み出す肌色に満足していますか?
ソニー α6400を使用して1年以上、基本的には満足なのですが、たまに肌色の再現に関してこれじゃないんだよなあという写真になります(特にキヤノン Kiss Mと比較するとなおさら)。
そこで今回は初心者でもRAW現像で「健康的な肌色」を再現する方法を紹介します。
自分は本気でカメラを乗り換えようか1年以上悩んでいたくらいので、同じように悩んでいる方に参考になれば幸いです。
- ソニーのJPEG撮って出しでも基本的には問題ない。時々好みと異なる絵作りになる
- 今回の素材(JPEG撮って出し版)
- 【RAW現像STEP0】レンズ補正、ノイズ軽減を実施
- 【RAW現像STEP1】明るさを調整する。ポイントは白レベルの調整!
- 【RAW現像STEP2】色を調整する。ポイントは色相の調整!
- 【RAW現像STEP番外】お好みで明瞭度を調整する
- ホワイトバランスの調整だけでは限界があるメカニズム
- 明るくすると彩度が落ちるメカニズム
- まとめ
ソニーのJPEG撮って出しでも基本的には問題ない。時々好みと異なる絵作りになる
α6400、というかソニーのJPEG撮って出しでも基本は問題ないんです。
特に外だったらなおさら。
もう少し健康的に見えるほうが個人的には好みだったりしますが、RAW現像で追い込むほどではありません。
それよりはいち早く「みてね」にアップして家族と共有することを選びます。
でも時々自分のイメージとは異なる絵作りになります。
例えば以下の写真。
全体的に赤みがかっているし、肌の諧調が飛んでいるように見えます。
もちろんこれらはすべて個人の好みであり、玄人に言わせれば写真を撮る前に条件をそろえろよという話なのだと思いますが、初心者の自分としては気軽にいい写真を撮りたいのです。
今回の素材(JPEG撮って出し版)
これが今回の素材です。
JPEG撮って出しで、クリエイティブスタイルをポートレートモードに設定しています。
正直RAW現像する必要もありませんよね?
その通りで、α6400でRAW現像する必要なんてほとんどありません。
素人のRAW現像がこのようなメーカが生み出す理想に近い写真とどれだけ戦えるのかを比較するためにあえてこの素材を選びました。
なおRAW現像ソフトはLightroomを用いました。
【RAW現像STEP0】レンズ補正、ノイズ軽減を実施
まずレンズ補正、ノイズ軽減は何も考えずに実施します。
ノイズ軽減に関してはISO100でも20以上設定します。
TVのような大画面だとISO100でもノイズが気になる場合があるからです。
【RAW現像STEP1】明るさを調整する。ポイントは白レベルの調整!
続いて明るさを調整します。
自分は露出を上げ、コントラストを下げることが多いです。
そしてここからがポイントなのですが、肌色の確保のためにハイライトもしくは白レベルをマイナス側に調整します!
以下の写真が調整結果ですが、肌色が戻ってきているのがわかりますか?
色の確保のために明るさを調整する?と思った方はちょっと前の私と同じです。
後述しますが、「子供を映す場合には露出を上げよう」といったアドバイスを単純に信じてしまうと色味という観点では痛い目を見る可能性があるのです。
【RAW現像STEP2】色を調整する。ポイントは色相の調整!
当たり前ですが、まずはホワイトバランスを調整します。
今回は気にならないのでカメラ設定のまま。
続いて自然な彩度を上げます。
明度と彩度の関係より明るい肌色は彩度をかなり上げないと色が乗ってこないので、値を多めに調整します。今回は40。
そしてここも「健康的な肌色」を再現するポイントです!
カラーミキサーで赤、オレンジ、黄色の色相をマイナスに調整します。基本は-15前後。やりすぎると大きく写真が崩れます。
正直この写真ではそれほど調整しなくても問題ない(むしろやりすぎ?)ですが、この操作で個人的に助かっている写真がちょこちょこあります。
これで完成です。時間にして5分程度。
調整前後で比較すると、たった5分程度の調整でかなり雰囲気が変わっているのがわかるかと思います。
JPEG撮って出しと比較すると以下になります。
左がJPEG撮って出しで、右がRAW現像結果です。
自分が調整したから当たり前ですが、私はJPEG撮って出しよりRAW現像の写真の方が好みです。
ここで強調しておきますが、これはあくまで私個人が考える「健康的な肌色」を再現する方向であり理想的な肌色は各々異なります。
大事なことはどの項目を操作すれば自分が求める絵になるかを理解しておくことだと思います。
自分の場合は白レベルと色相の調整が重要な項目でした。
【RAW現像STEP番外】お好みで明瞭度を調整する
子供の写真だとお好みで明瞭度を下げ、やわらかい写真を演出する方法もあります。
自分はたまに使っています。
ホワイトバランスの調整だけでは限界があるメカニズム
色味に悩んで「色」「調整」で検索すると、よく「〇社はホワイトバランスが適切でない。ホワイトバランスを調整しよう」と記載されています。
ただ自分はいくらホワイトバランスを調整しても求める絵にならず、ずっと悩みの種でした。
しかしある時「色相環」を見てホワイトバランスの調整だけでは限界があることをようやく理解しました。
以下が色相環です。
右上の黄色が肌だと仮定して、少し赤みを加えたい場合皆さんはどうしますか?
ホワイトバランスの調整によって赤みを加える場合は以下になります。
どうでしょうか?
確かに黄色には赤みが加わったかもしれませんが、全体が赤みがかってしまいとても写真として成り立ちませんよね?
そうなんです。
写真を破綻させることなく「健康的な肌色」を再現するためには、ホワイトバランスを調整するのではなくホワイトバランスを維持したまま色相を回転方向に調整することが必要なのです。
つまり以下のような調整です。
今回のRAW現像では色相に関してまさにこのような回転方向の調整をしたのです。
このイメージがあるのとないのとではRAW現像するにも大きく差が出ると思います。
明るくすると彩度が落ちるメカニズム
こちらはメカニズムと呼べるほどのものではありませんが、結論から述べると明度と彩度の関係は以下になります。
明るい色の究極は白ですから、明るくすれば彩度が落ちていくのは考えてみれば当たり前です。
意外と認識していない方も多いかもしれませんが、こちらも知っているのと知らないのとではRAW現像に大きく差が出ると思います。
ちなみに今回のRAW現像であえて白レベルを下げて彩度を多めに調整したのはこのメカニズムが理由です。明度が高いと肌色が乗ってこないのです。
まとめ
今回は理系パパにも関わらず色の話をしました。
調整量を真似る必要はありませんし、そうするべきでもないと思います。
言いたかったのは自分が求める絵を理解していてそのために調整すべき項目がわかっていれば、かなり簡単にRAW現像で実現できるということです。
ここではRAW現像前後の写真を並べて終わりとします。