RAW現像ってみんな言うけど、ホント意味あるのという話
カメラについて学んでいくと、そのうち「RAW現像」という言葉に行き当たります。
JPEG撮って出しでは使えない写真を救えますよとか、編集の幅が広がりますよとかいろいろ記載していますが、どう考えても思い切りアンダーの写真を持ち上げてほらっと言われても実際RAW現像って使えるの?と思うこともしばしば。
そこで今回は自分がカメラ任せに撮影して失敗した写真がRAW現像により救えた例を示します。
わざと失敗したわけではなく、カメラ任せにした結果自分の意図と異なったというのがポイントですね。
これを見れば「RAW現像って面倒だけどやってみようかな」と思うかもしれません。
カメラ任せの結果、背景の黒に引っ張られて主役が白飛びしている写真が素材
これが素材のJPEG撮って出しの写真です。
先ほど宣言したとおり、これはカメラ任せに撮影したもので露出は何もいじっていません。
これの主役は何でしょう?
ピントでわかる通り主役は梅の花で、脇役は背景であるお寺ですよね。
でも主役である梅の花は脇役のお寺の暗さに引っ張られて白飛びしています。
これは明らかに自分の意図とは異なっています。
このような写真である場合に自分はRAW現像を選択します。
RAW現像で救ってみた
これをRAW現像で救ってみました。
本当はこのレベルの明暗差であればいろいろいじりますが、今回は例のために調整項目をシンプル化します。
梅の花に露出を合わせるという観点で露出を下げ、その分シャドウを持ち上げる。
とはいえシャドウを持ち上げすぎると主役が目立たなくなってしまう(というかやったらそうなってしまった)ので、あえて控えめの調整で。
露光量-2と結構調整しているにも関わらず、ヒストグラムを見ても自然ですよね。
JPEG撮って出しで同じように頑張ってみたが無理だった
続いてJPEG撮って出しからの調整です。
RAWデータとJPEGでは補正量は一緒にならないためコンセプトを合わせます。
主役に露出を合わせ、黒で背景を引き締める。
写真もそうですが一番わかりやすいのはヒストグラムで、JPEG撮って出しからの調整だと明るいところが全然救えていないですよね。
等倍で比較してみます。
まずは主役の梅の花から。
↓RAWデータから調整
↓JPEG撮って出しから調整
RAWデータと異なり、JPEG撮って出しから頑張って調整しても花びらの諧調が失われているのがわかります。
別の場所を拡大して比較します。
↓RAWデータから調整
↓JPEG撮って出しから調整
どちらも厳しいですが、JPEG撮って出しから調整した写真は空の諧調が全く取り戻せていません。
また、屋根と空のはざまを見ると隠れていたパープルフリンジが復活しています。
スマホレベルの画面の大きさで確認してもこの諧調の失われ方はさすがに気になります。
調整した結果がこれだったら、たとえ意図と異なっていても調整前の写真を採用しますね。
まとめ
今回はRAW現像って何?おいしいの?と思っている方向けに記事を書きました。
僕も写真を撮り始めた当初はJPEG撮って出しだけでしたが、今はRAWデータも保持しないと気持ち悪いです。
やはりパパママカメラマンはその場でカメラ設定を追い込む時間が圧倒的に足らないので、こんなトンでもない条件でも写真を結構救えてしまうRAW現像はおススメと言わざるを得ません。
もちろんRAW現像する時間もそんなにないため(というか無駄にやっていると奥さんに怒られるはず)、RAW現像せずとも満足できる写真になることが理想ではあるのですが。。
ちなみに今回の作例でもJPEG撮って出しからの調整結果を見ても問題ないと思う方は、おそらく本当にRAW現像が必要ないと考えられます。
かなり厳しい条件ですので。
↓α6400で撮影
↓SEL35F18で撮影