理系パパのカメラ奮闘記

2児の父親。理系の視点でカメラを勉強します。

Nikon Z50レビュー! これが「Nikonが考える」小型・軽量一眼カメラだ

コロナ禍が始まる前の2020年2月にZ50を購入しました。

 

理由はシンプルで、Nikonにずっと興味があっても一度も手を出せずにいたなかでZ50という評判のよいカメラが出たためです

やはりCANONNikonというのはブランドイメージとしては別格なんですよね。

 

結論から言うと「Nikonは商売が下手だ」という巷の噂がよく理解できました。

今回の話はそこじゃないですね。。もとい。

このNikon Z50こそ、「Nikonが考える」小型・軽量一眼カメラそのものです。

そりゃNikonが作ってるんだから当たり前だろうと思った方いますよね?

でも自分としてはこの表現がしっくりくるのです。

少し中身を見ていただければ、自分がこのように記載した理由が少しわかるかもしれません。

 

 

  

デザインはザ・カメラ。持ち歩きたくなるボディサイズと操作性

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デザインは昔からイメージするカメラそのものです。

というか、 NIkonはデザインコンセプトを統一していますよね。

 

まず一つ。グリップが深く手にしっくりときます。

それからEVFが見やすいだけでなく、何気に背面液晶も素晴らしい出来です

これはいいなと思った写真はそのままPCで見てもいい写真なので無駄がありません。

 

 

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引用:Nikonホームページ

 

今どき当たり前ですが、自撮りモードも用意されています

 

各種ボタンも充実しています。

驚いたのがレンズ脇についているFn1、Fn2ボタン(下図の2、3)。ユニークですね

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引用:Z50マニュアル

 

Z50本体ではありませんが、同じく素晴らしい出来なのがレンズキットで付属されるNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

映りもそうなのですが、サイズ感が素晴らしい。

 

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沈胴機構を採用しており、収納時はほとんどパンケーキレンズです

最初に見た時はあれ?と思ったくらい。

 

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撮影時にはレンズを繰り出します。

このトルク感も地味にたまらないです。

この本体とレンズのおかげで全体として非常に軽量・コンパクトにまとまっていて、どこにでも持ち歩きたい気にさせてくれます。 

この快適さは写真では伝わりにくいですよね。

 

  

AF性能は不満なし。瞳AF精度はα6400より高いと思う

AF性能は不満はないです。

不満はないという表現でわかるかもしれませんが、性能で言うとα6400より劣っています。

では動き回る子供を撮影して困るかと言えばそうではなく、まったく問題なく追従します。

スポーツ撮影は間違いなく厳しくAFエリアを中央一点に限定するといった工夫が必要と考えられますが、普段使いには全く問題ありません。

それよりも感じたのは瞳AFの精度。

瞳への追従性はα6400の方が上ですが、認識した時の瞳AF精度はZ50の方が上のように感じました

 

JPEG撮って出しは意外にも最も好み

Nikonを調べてみると「黄色被り」とか「記憶職ではなく記録色のため風景に向いている」とかいう記載をよく見かけるのですが、ところがどっこいJPEG撮って出しの色味はこれまで経験した中でメーカーの中で最も好みでしたソニーキヤノンニコンオリンパスパナソニック)。

調べてみるとどこかのタイミングで傾向を変えたみたいです。

 

自分の基準である人物撮影結果から。

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個人的に好きです!

(これでも黄色いという方はホワイトバランスを雰囲気を残すから白を優先するに変更してください。Nikonもあえて残していますよ)

 

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一瞬塗り絵傾向?と思って等倍確認してみましたが、解像度はしっかり確保しながらも肌のすべすべ感を出しています

職人技ですね、素人にはとても手が出せません。

 

実はNikonJPEGが凄いと思ったのはRAWデータとJPEG撮って出しを比較してから
↓ 左がRAWデータ、右がJPEG撮って出しです。

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RAWデータという素材を見た場合に自分が行うであろう調整をNikonがすべてやってくれている感じがしました

これはソニーはおろかキヤノンでも感じなかったこと。

要するに個人的な指向にハマったわけです。

 

ということで前述の通り持ち出しやすくJPEG撮って出しも好みというわけで、標準レンズを引っ提げて撮影するわけです。 

↓この植物はなんでしょうか。

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 ↓コロナ禍で子供と一緒に作った折り紙

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↓ISO1600でこの画質。拡大してもただの塗り絵になっていないのが凄い。

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↓シャッター速度を速くしてもOK。最大1/4000秒

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↓カメラ内RAW現像で後からピクチャーコントロールで遊べます。これは「トイ」

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↓白黒写真もGood。もちろんJPEG撮って出し。

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↓雨上がりの紫陽花は映えます

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最後の写真なんか、等倍で確認すると花の健気さと葉っぱのみずみずしさと後ボケが相まっていい感じです。初心者なのでいい感じとしか言えませんが。

↓等倍拡大

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Zマウントのレンズラインアップが少ないのははっきりとした弱点

2020年6月現在、Zマウントのレンズラインアップが少ないのははっきりとした弱点です

いや、FTZマウントアダプターがあるからいいじゃんという方は以下を見てください。

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FTZマウントマウントアダプターを付けると率直にダサくないですか?

Z50とのデザイン相性も悪く、アダプターの三脚座が出っ張っているせいうまく置けません(2枚目の写真はレンズキャップで本体を支えている状態)。
せめてキヤノンのように三脚座は外れるようにしてほしかったです。

 

Zマウントで安くて軽いそこそこの単焦点レンズが出たら即購入します。

と思うくらい、ここは不満ありです。

 

Nikon マウントアダプターFTZ Zマウント用 Fマウント用
 

 

 

その他いいと思ったところ、気になるところ(対Nikon含む)

ここでは良くも悪くも個人的に引っ掛かったところをピックアップします。

・反時計回りでレンズを装着

・DX/FXなどの呼称がユニーク。他社と統一できないかな

・水準器表示が大きい

・シャッター音がいい感じ。ちょっとテンション上がる

スマホ自動転送は便利。Nikonのイメージと違いちゃんと対応してました

・静止画撮影と動画撮影の設定が個別にできるのが便利

・タッチ&ドラッグAFができない

・FTZマウントアダプター、もう少し安くできませんか

 

Nikonを初めて経験した人の誰もが感じるところかもしれませんが、やはり反時計回りでレンズを装着するのは違和感がありました。

あと地味なところで水準器表示が大きいと感じました。DISPボタンではなく、Fnボタンで切替できるようにしてほしいです。 

タッチ&ドラッグAFができないのは個人的にはマイナスポイント。今どき実装しないのは何か技術的な課題があるのでしょうか。

FTZマウントアダプター3万円オーバーは正直高すぎるし、Z50とのデザイン相性も悪すぎます。こんなの買うもんかと思いつつ結局買ってしまった自分が言うのも何ですが、ここは簡易版なりでもう少し安いものを出してほしいです。

 

Nikonは商売が下手だなと思った理由

自分はNikon機はZ50が初めてです。

そして別分野ではありますが技術者でもあります。

そんな自分がZ50を使い強く実感したのが「Nikonって商売下手だな」ということ

これは!というキャッチフレーズが作れないんです。

「世界最速0.02秒オートフォーカス」でもなく、「軽量コンパクト」でも他社に負けている。

それではコスパはで言うと、やはり価格競争力でも他社に劣っている。

自分が店員だとしても初心者にはCANON Kiss Mを推すし、もう少しお金を出せるのであればSONYα6400を推します。

じゃあZ50の何が優れているのと言えば、カメラとしての根幹にかかわるところなのです。

カメラをしっかり握り、ファインダーを見て何をどう映すかを確認し、シャッターを押し、背面液晶を見て出来を確認し、再調整して再びシャッターを押す。

この一連の流れがどう考えてもZ50は優れているのです

正直、α6400のファインダーでも全く不満はありません。背面液晶も他と比較しなければ十分です。

でも、Z50というかNikonは、そのようなあまりキャッチーではないが自分たちは重要だと思う要素にわざわざコストをかけているわけです。

これは商売が下手だと言わざるを得ないですよ。

と同時に、Nikonを応援したくなりました。

力の入れどころが職人気質という感じがしたんですよね

正直時代にはそぐわないスタンスでありNikon自身も苦しんでいるのかもしれませんが、何か貢献できることがあればいいなと感じました。

 

まとめ

今回はNikon Z50をレビューしました。

タイトルに「Nikonが考える」と記載したのは、このZ50が世界最小・最軽量のようなわかりやすい商品ではないからです。

地味かもしれないがNikonが重要だと考える項目にコストと時間をかけ生み出した小型・軽量一眼カメラ、それがNikon Z50なのです

使ってみて初めてわかるZ50の良さ。 

使ってみなけりゃわからないZ50の心地よさ

 

Nikon」や「Z50」で少しでも引っ掛かった方は是非手に取ってみてください。

性能はα6400の方が上なんだけどなーと言いつつ実際に手に持っているのはZ50だったりして、一言では言い表せない不思議な魅力がありますよ。

 

  

 

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