各メーカーのフランジバックを調査してみる(マウント径調査の続き)
前回の記事で各メーカーのマウント径について調査しました。
↓前回の記事
そこで思ったことは、フランジバックとの関係性を見ないと何も判断できないということ。
そこで今回は各メーカーのフランジバックについて調査しました。
断面図の定義
一覧表を載せる前に、まず断面図の定義を示します。
↓断面図の定義
今回は最悪条件とし、センサー長としては対角線の長さを採用しました。
右に記載してある断面図をベースにフランジバックの影響を検証します。
各メーカーのフランジバック一覧
始めに一覧を提示します。
今回はフルサイズに限定し、ソニー、キヤノン、ニコンのミラーレスおよび一眼レフのフランジバックの比較を行いました。
↓一覧表
まず思うところ。
Nikon Fマウントはセンサー対角長とマウント径がほとんど同じです。
Eマウントはフルサイズに不向きと言っている人は、Fマウントもフルサイズに不向きと言っているのでしょうか?(そっちは聞いたことがないが。。)
それとも時代進化分を脳内補正しているのでしょうか?
いずれにせよ、マウント設計としてユニークなのはNikon Fマウントと思えます。
ミラーレスから始めた身からすると「Eマウントはフルサイズにしては口径が小さい」と時々目にしていたから、先駆者である一眼レフの内径がそれより小さいなどとは夢にも思っていませんでした。
無知って怖いですね。。
(あとで前の記事も修正します)
一方でこのように図示してみると、また別の疑問が生まれます。
ソニーEマウントとキヤノンEFマウントではどちらが光学設計上有利なのでしょうか?
レンズ設計自由度と置き換えてもいいかもしれません。
こうしてみると重要なのはマウント径でもフランジバックでもなく、光の入射角だと思われます。
センサー端を基準に入射角を算出してみます。
こちらで使う式はarctanですね。
例えばEマウントではarctan{ (46-42)/2 / 18 } =6.3degreeとなります。
数式に興味がある稀有な人がいればやってみてください。
センサー端基準の各メーカーの入射角一覧
ということで結論です。
↓センサー端入射角一覧表
こうしてみるとEマウントはEFマウントに対しマウント径は小さいものの、光の入射角としてはほとんど同じ値まで迫っています。
今回はセンサー端(しかも対角長換算)に対する光の入射角というただ一つの条件を比較したものであるためおいそれと結論は出せませんが、Eマウントの設計にあたり王者キヤノンのEFマウントをベンチマークにしたのは間違いないと思われます。
上手な表現が見つかりませんが、ソニーはどこの業界でもソニーですね。
まとめ
今回は前回の記事に続いてフランジバックについて調査しました。
ソニーはEマウントにおいて世界初のフルサイズミラーレス機であるα7を発売しましたが、一眼レフ機と比較することでEマウントは始めからフルサイズまで見据えた設計であると個人的には思いました。
前言撤回です。。
これ以上解析するとなるとレンズ工学の領域になりますが、こちらは非常に難易度が高いと思われますので理系ブログとしても追うのはやめておきます。
勝手な推測では色々理論はあるものの、結局シミュレーションのトライアンドエラーな気がするんだよなー
(ここも気が乗らない理由)
※ただの気のままのブログなのに、前回の記事があまりにも中途半端だったから労力を割いて連続で更新してしまった。ちょっと眠い