【カメラ基礎】F値(絞り値)と明るさの関係について改めて知ろう(定量的)
前回はF値(絞り値)と明るさの関係について定性的に解説しました。
↓前回の記事
今回は定量的な説明です。
- 【レンズ口径】レンズ口径が1/2倍になるとレンズ面積が1/4倍になる。つまりレンズ口径を1/√2倍するたびにレンズの明るさが半分になる
- 【焦点距離】焦点距離が2倍になると像の面積は1/4倍となる。つまり焦点距離を√2倍するたびにレンズの明るさが半分になる
- 【F値】「F値 = 焦点距離 / レンズ口径」である。つまりF値を√2倍するたびにレンズの明るさが半分になる
- まとめ
【レンズ口径】レンズ口径が1/2倍になるとレンズ面積が1/4倍になる。つまりレンズ口径を1/√2倍するたびにレンズの明るさが半分になる
まずはレンズ口径です。
レンズは集光機能という役割を担っていますので、より多くの光を集められた方が明るいレンズとなります。
その際明るさはレンズ面積に比例しますので(※1)、レンズの面積をS、レンズ口径をrとすると
レンズの明るさ ∝ S = π(r/2)^2 ∝ r^2
レンズ口径を√2倍するたびにレンズの明るさが2倍になります。
F値のために言い換えると、レンズ口径を1/√2倍する毎にレンズの明るさが半分になります。
【焦点距離】焦点距離が2倍になると像の面積は1/4倍となる。つまり焦点距離を√2倍するたびにレンズの明るさが半分になる
続いて焦点距離です。
繰り返しになりますが、より多くの光を集められた方が明るいレンズです。
像の面積をS、焦点距離をfとすると
レンズの明るさ∝S∝1/f^2
焦点距離を1/√2倍するたびにレンズの明るさが2倍になります。
同じく言い換えると、焦点距離を√2倍するたびにレンズの明るさが半分になります。
【F値】「F値 = 焦点距離 / レンズ口径」である。つまりF値を√2倍するたびにレンズの明るさが半分になる
ようやくF値の登場です。
F値は以下の式で定義されます。
焦点距離およびレンズ口径はそれぞれ明るさに対して√2の係数で反比例、比例の関係にありますので、除算で組み合わせているのがミソです。
レンズの明るさ∝1/√2F
F値を√2倍するたびにレンズの明るさが半分になります。
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まとめ
今回はF値(絞り値)と明るさの関係について定量的に説明しました。
√2という平方根が出現するためにF値は1.4、2、2.8と一般人には見慣れない値を取りますが、面積で考えればいたって自然な振舞となります。
とは言え撮影時にこんな小難しいことを考える輩がいるわけもなく、F値に関して覚えてしまえばいいんですけどね。。
※1
集光という機能に関し明るさは面積に比例することを自明の理として説明しなかったが、言及すべきだったのか悩む。。
光度とか照度とか述べないまでも、何か例くらいは記述すべきだったのだろうか。
まあブログだからいいか。